■ 「待ち」のススメ ■
 ※ 2003年12月~2004年6月掲載 沖縄タイムス教育コラム「どんぐりころころ」

「アメとムチ」。
これは「教育」において、これまでの定説でした。

でも私は、これから大切なのは「ホメ(褒め)とマチ(待ち)」、
使っていけないのは「セメ(責め)とムシ(無視)」だと考えています。
ところが、これがナカナカ難しく、講演会などでも、
「わかってはいるけれど…ア~、苦手」とウチアタイされる方が多いものです。

そこで今日は「マチ(待ち)」に焦点を当ててお話します。
親子関係でも「何を考えているのかわからない」「言いたいことがハッキリしない」
「なかなか動いてくれない」など、ワジワジー源はたくさん聞かれます。
では、その原因は本当に子供だけにあるのでしょうか?

「早く」わかってほしい、「すぐ」動いてほしいなど、
「待ち」が不足してはいませんか?

「私が焦っていたのかもしれません」
「もう少し待ってみよう、と決めたら気持ちが楽になりました」。
コーチングを受けて三ヶ月目、「ワジワジー爆発生活」に悩んでいた
親の皆さんからの言葉です。

このように「待ち」が出来るようになったのは、なぜでしょう?

それは、コーチングを通して、親の皆さん自身の不安・焦りを
「受け止めてもらう」「じっくり聞いてもらう」という時間をもつことで、
安心感が生まれたからだと思います。

最近、あなたが待ってもらって嬉しかった・安心した場面は、
いつ・どんな時でしたか?

コーチは、相手を「説得」するより、
相手が「納得」して動き出せるところまで、じっくり丁寧に向き合います。
時間はかかりますが、結局は、これが近道。
親のペースで説得するより、
子供のペースで納得してもらえる状態をつくってみることをおすすめします。

実は私、心の中に「わじらザル」という御守のサルを飼っています。
日頃のワジワジーを笑い飛ばし、怒りを消す効果があり、
贈り物にも喜ばれています。

「待ち」の気持ちと「わじらザル」、この二つを心に、
新しい目で、お子さんを見つめてみませんか?

・註・
原稿は、当時のままで掲載しておりますが、現在は「コーチとして」ではなく
「コーチングの手法も活かしつつ」哲楽家として活動しています。
ご了承下さい。

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