■ 「褒め」のススメ ■
 ※ 2003年12月~2004年6月掲載 沖縄タイムス教育コラム「どんぐりころころ」

「よし、帰って母ちゃん褒めよう!」。

私の講話の後、元気よく立ち上がったPTA会長。
ドアの前で、ふと不安そうに私を振り返り
「疑われるかな?…」とひと言。
思わず笑いを誘うこの場面、実は、企業向けの講演でもお馴染みです。

皆さんは日頃、お子さん・ご家族を褒めていますか?
コーチングにおいて「褒める(承認)」というのは、
とても重要な技術です。
家庭でも企業でも「コミュニケーションがうまくいかない」という場合、
私の体験ではほぼ百%「褒め不足」「ありがとう不足」が見つかります。

相手に、あなたはどれくらい「ありがとう」を伝えていますか?

「褒めよう」という反省と決意、そして
「疑われるかな」という不安に揺れる「お父さんゴコロ」は真剣な問題。
「大丈夫さー」と無責任に励ませない私は、こんな質問をしています。

「褒めていないのは、いつからですか?」。

すると十年・二十年という答え。

「そんな人が、ある日突然褒てくれたら…どうでしょう?」

私の問いに、一言…「あやしいです!」。

大切なのは、とにかく続けること。
すると、小さな変化がきっと出てきます。
相手にも、あなた自身にも。遠回りに見えるこの方法ですが、
実は一番の近道です。

「褒めの技術」は、ほめ言葉をスラスラ言えることではなく、
ほめる部分(素晴らしい点・強み・頑張りなど)を発見できる力。
価値があるのは、百個の「スキル」より、
たった一つの本気の「スキ!」だと思います。

「あれから娘の名前を呼んで、ありがとうを伝えるようにしたら、
会話が増えたんです。」。
再会の時、お父さんのニコニコ顔に出会いました。

どうか、ご家族の皆さん!ちょっとぎこちなくても、
勇気をふり絞ったお父さんの褒め言葉を、
温かく受け止めて「褒めて」あげて下さいね。

まだ、ちょっと心細いですか?
大丈夫、まずは小さな「褒め」から始めませんか?

「その人が、大切にしていること・頑張っていることは何ですか?」

「あなたが最近嬉しかった褒め言葉は、どんなものでしたか?」

・註・
原稿は、当時のままで掲載しておりますが、現在は「コーチとして」ではなく
「コーチングの手法も活かしつつ」哲楽家として活動しています。
ご了承下さい。

・註・
原稿は、当時のままで掲載しておりますが、現在は「コーチとして」ではなく
「コーチングの手法も活かしつつ」哲楽家として活動しています。
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