■ それ行け、18才! ■
 ※ 2003年12月~2004年6月掲載 沖縄タイムス教育コラム「どんぐりころころ」

「すごーい!頑張って下さい」。

私の執筆の背中を押してくれるのは、最年少のクライアントRさん。
18才の受験生です。
はじめの頃の彼女は、私からの問いかけに
「うーん…」と黙ってしまうことも、しばしば。
私も、10代の方のコーチは初めてで、少し戸惑いもありました。

「Rさんの強みは、何だろう?どんな時に、一番頑張れるのかな…」。
Rさんは、ハンドボール部出身の、スポーツが大好きな高校生です。
試合も受験も、同じ「一発勝負」。
Rさんがハンドボールで培った力を引き出せば、
受験勉強に活かすことができるはず!と考えました。

「苦手な科目があって…」というRさん。
そこで私は、聞いてみました。

「ハンドでは、苦手な練習とか技は、なかった?」
―あった。
「その時は、どうしたの?」
―とにかく練習した。できるようになったら、楽しいし。
「それを、勉強にも活かせないかな?」
―そっか!

ハンドの話をする時のRさんからは、自信と力強さが感じられました。
それからは積極的に
「ハンドの時は、どうだった?」と聞くようにしています。

「できるはずのことが、できなくなった時や、
無理だと思っていたことができた時…
Rさんは、試合の前後・最中に、何をしていたの? その時の気持ちは?
頭の中は? 見え方は?」。

そして、最後に必ず聞きました。

「それを勉強に活かすには?」。

2ヶ月たった頃、Rさんからは
「うーん…」という沈黙がほとんど無くなり、スルスルと色んな案や意見、
的確な例えが出てくるようになりました。
「できない」と言うRさんに、
「できないのかな?それとも、できないと思い込んでいるのかな?」と聞くと、
すぐに「思い込んでいる!」とキッパリ。
それから、その話はすっかり消えました。

そんな若いRさんの「素直な伸び・吸収力」には、
コーチとして、たくさんの驚き・感激をもらっています。
Rさんは試験当日、私は締切日に向けて「お互い、頑張ろうね!」と
二人三脚のコーチングは、私にとって素直な元気をもらう時間でもあります。

若い人に出会った時には、皆さんも、一緒に考えてみませんか?

「18才のあなたなら、素直な視点で、今の状況をどう見ると思いますか?」

「今のあなたに、どんなアドバイスをくれるでしょうか?」

・註・
原稿は、当時のままで掲載しておりますが、現在は「コーチとして」ではなく
「コーチングの手法も活かしつつ」哲楽家として活動しています。
ご了承下さい。

Copyright(c) 2014 紀々 All Rights Reserved.
Design by http://f-tpl.com