アトリエ紀代美 (アトリエきよみ)
そもそも私がレザークラフトと出会ったのは、母がずっとやっていたから。小学生の頃から、コンコンコンコン……カービングの音はいつも生活の中にありました。持たせてもらったポシェットも、ベルトも、手製の本革。贅沢な子どもだったなぁ、とあらためて思っています。
1948年生でキャリア約30年母も、比嘉さんと同様に「人前に出るのは絶対にイヤ!」ということで……顔写真は非公開です m(_ _)m
高校生の頃から、母がレザー仲間と出展する展示会前の追い込みでは、私もかがりや磨きの手伝いをしていました。展示会では、販売の手伝いで売り場に立っていました。マレット工房の比嘉美智子さんとは、その頃からのお付き合い。
当時から「販売上手だね~」と職人さんやデパートのスタッフの方々に言われていました。今のプロデューサー紀々のルーツは、ここにあります!
※ 母が好きなモチーフは、唐草。
何かが「ない・足りない」という場面に出合った時、母の口ぐせは「つくればいいじゃない」。買いに行こう、ではなく「つくってみよう」という私の発想は、母の口ぐせから生まれました。
私がアクセサリーをつくるようになったのは、母がおサイフをつくった時に出た切れ端を「こんなにキレイにカービングが入っているのに、捨てるのはもったいない!」とゴミ箱から拾って自分用につくったのがきっかけでした。
そのピアスが好評で「どこで売ってるの?」と聞かれるようになり、販売するようになりました。
母がモノづくりに込めているのは「使う楽しさ → 贈る楽しさ → つくる楽しさ」と、皆さんにも楽しさを味わってもらえたらという願い。子育てや介護をしながらも、マイペースでずっと続けていくことの楽しさと大切さを教えてもらっています。
※ 今、母が「つくるのが楽しい」と言っているのがベルト。ひたすらカービングできることが楽しいのだとか。