■ 講演デビュー ■
 ※ 2003年12月~2004年6月掲載 沖縄タイムス教育コラム「どんぐりころころ」

「子供たちのために、演奏に来てもらえませんか?」。

きっかけは、とある高校PTAの方からのお電話。
電子オルガン奏者から、プロのライフコーチへの転向を考え始めた頃でした。
「実は…」とコーチングの説明をした後、再び電話が。
「受験生の子供を、親としてどうサポートできるか」というテーマで、
父母向けにコーチングの講演をお願いします」。
こうしてコーチ紀々の「講演デビュー」が決まりました。

「紀々さんは、子育てを教えるためではなく、
コーチングの話をしに行くのですよね。子育て経験は関係ありません。
さぁ、自信を持って!」
私のコーチに背中を押してもらって、いざ出発!

「アラ、こんなに若い講師?」
驚きの表情に見つめられる中でのスタート。
私は「目の前に座っている」PTAの皆さんに焦点を当て、
「自分自身」に目を向けてもらおうと考えていました。

「子供に、こうなってほしいという気持ちは色々あると思いますが。
皆さんご自身は、どんな親でありたいですか?
子供さんから見て、どんな背中をもった大人でありたいですか?」。

そう問いかけた時、うなずきも、メモをとる手も、
ピタリと止まるのが分かりました。

「自分が、子供に求めることばかりを言って、
自分自身の姿などすっかり忘れていました」
「息子が自分で一生懸命作ったレールを、一緒に眺めるどころか、
親の勝手で全部壊していたことに気がつきました」
という声のほか、参加されたお父さんから
「子供の教育と、社員の教育は同じなのですね。
いつか、会社でも話して頂けますか?」
というお電話もありました。

また「子供との会話がない」と悩むお母さんから、
「紀々さんから聞かれて初めて
〈自分は、どうありたいか〉考えるようになりました。
すると考えている間ガミガミ言わなくなっていたんですね。
息子から、お母さん最近、静かだね、と言われました。
私が圧力だったようです。」。

彼女の笑い声を聞いた時、
私の講演デビューに合格点がつきました。

最後に、皆さんへ質問。

日常のゴタゴタ・ワジワジーの相手が誰であれ・どうであれ…
あなた自身は、どうありたいですか?

あなたが変われば変えられることは、ありませんか?

・註・
原稿は、当時のままで掲載しておりますが、現在は「コーチとして」ではなく
「コーチングの手法も活かしつつ」哲楽家として活動しています。
ご了承下さい。

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