紀々が出会ったプロフェッショナルを、紀々の視点でご紹介する…「社外報!
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◆ … ・ file.8 :取材日 2013年5月24日 ・ … ◆

吉村 康行(よしむら・やすゆき)

※ 「え~、しゃべりながらなの?!」と驚かれつつ…パチリ。

職業 : 「株式会社 吉村ニット」 代表取締役
この道 : 32年

デパートリウボウでの販売会のために沖縄にいらしていた吉村康行さん…
file.4でご登場頂いた「吉村美穂さん」と、ステキなご夫婦です。

お話うかがえることになったので、ショート・インタビューさせて頂きました!
思いがけない“はじめまして”インタビュー。
ワクワクとドキドキ…両方抱えて、うかがいました!

◇ 紀々
まずは、写真から撮らせて頂いてもいいですか?

吉村さん
「苦手なんだよね~」(苦笑い)
ここがいいかな。

◇ 紀々
では、お話うかがいながら写真も撮らせて下さい。

吉村さん
え、しゃべりながらなの?!

(驚きながらも、写真を撮らせて下さいました!)

◇ 紀々
この仕事をしていて一番うれしいのは、どんな時ですか?

吉村 氏
やっぱり、お客様が喜んで帰って下さった時です。

◇ 紀々
アメリカでビジネスを始めるきっかけになったのは?

吉村 氏
私のところは工場を持っているメーカーなのですが
「メーカーが、(下請けではなく)自社ブランドをつくらなきゃ!」
という想いがきっかけでした。
でも、日本の文化の中では難しい事情が色々あって…そんな時に、
助成金などのチャンスと「アメリカに行ってみないか」という
声かけがあったのがきっかけとなりました。
幸いにも、14年続いています。

当時、一緒にアメリカに行ったのは10社くらいだったのですが、
今残っているのは私たち1社のみなのだそうです。
アメリカでビジネスしているというのは、PRにもなりますし…
その意味では「儲かるより続けることが大事」
という発想をもって臨んでいます。
「これは、他ではできない!」という、
自社の技術に対してのポリシーも支えです。

◇ 紀々
夢に近づいている感覚は、いかがですか?

吉村 氏
あります。
「自分でブランドをつくり、直接お客様に販売したい」という夢に向けて、
着実に進んでいると思います。

◇ 紀々
一番のこだわりは何ですか?

吉村 氏
ファッションよりも、
どうしたら他では真似できない・他ではつくれない技術を提供できるか、
という部分。
そのポリシーが、やめていった他社との違いなのかも知れないと思います。

◇ 紀々
様々なハードルがあっても、ここまで挫けず来られたのはなぜですか?

吉村 氏
私なんて、挫けっぱなし(笑)
でも、やめなかったのは…
まずは「食べていかないと」ということもあったかも。
あと、服をつくるのは好きでしたから。

◇ 紀々
洋服については、着るのとつくるの…どちらの方がお好きですか?

吉村 氏
つくる方です!(即答)
着るのは、苦手…自信ありません(笑)。

◇ 紀々
海外でビジネスをする時に大切なものは何でしょうか?

吉村 氏
現地に合わせることが、まず必要だと思います。
固定観念があっては受け入れられないので。
柔軟性が必要だと学びましたし、大切にしています。
こちらの価値観を押し付けてもいいことはありませんから。
なるべく現地に行って、販売の現場にも立つようにしています。
そこでお客様の声も聞かせて頂いています。

◇ 紀々
技術力向上の根っこにある、大切にされているものは何ですか?

「お客様の声を聞く」のも、
モノづくりの技術のひとつだと思うのです。 男性の私が主につくっているのが、婦人服。
なので、自分が着ないという意味では
「お客様の方が、ある意味でわかっている」という視点を持ち、
自分と闘っています。
つくり手としての意見と着る人の意見のバトル(笑)。
デザイナーとの闘いもあります。
でも、答えは一つではないんです。
人それぞれだし、わからないものだなぁと思います。
自分の正しさが正しいとも限らないと痛感する場面が、実際にはあります。
私が否定したのに、お客様からはそれが一番好評だったりね。
もう、どんどん自信なくなっちゃいますよ(笑)

◇ 紀々
では、そういう意味での自信がなくなった分、
高まってきたものはありますか?

吉村 氏
「お客様が望んでいるものは何か、知りたい」
という関心度が高まっています。
何を買いたいかわからない方も意外といらっしゃるのですが、
「着たら、褒められたよ」ということを聞くとうれしいです。
ご本人の中で明確ではないものを理解し、
ご提案・ご提供できるようになりたいです。


※ お話をうかがうと、もっと色々着てみたくなりました!

・紀々の哲楽メモ・

「インタビューは、何度も受けてきたのに…
これまでにない質問が飛んできて、本当に驚きました!」

終了後、思いがけないコメントを頂きました。

初対面の私に、丁寧にお話下さる姿がとても印象的で
ありがたく、感激でした。

「いい加減に、臨まない」。

それは、インタビューへの答えも、
モノづくりへの取り組みにも共通なのではと感じました。

「いま」に満足せず、
「もっと、何かできることは?」「もっと、良い方法は?」
「そして、それが本当の答えなのか?」…
探しているというより“哲楽している”姿に見えました。
だから、初対面なのに話が弾んだのかもしれません。
そんな気がしました。

「ニットの世界」…またひとつ、私の中に
新しい関心のアンテナが生まれました。
いつか、モノづくりの現場にもお邪魔できたら
と思っています。
ステキなご縁に、感謝を込めて♪




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