紀々が出会ったプロフェッショナルを、紀々の視点でご紹介する…「社外報!
「社外報!」への想いは、こちらをご覧下さい。


屋良隊長と隊員の皆さんのインタビュー
「エピソード・2」を、お届けします。
エピソード1は、こちらです♪


※ 緊張感漂う訓練風景。


※ 訓練終了後の空気はガラリと変わり…屋良隊長の周りには笑いがいっぱいでした!

◇ 紀々
みなさん、本当に明るいですね。

屋良隊長
救助隊には、元気も必要ですよ。
声も出ないような暗い人は、救助隊になれません。
助けられる人だって、暗く落ち込んだ救助隊だと
「この人に任せて、大丈夫かな?」と不安になってしまいますから。
「助けますからね!」と言われた時に、
その方が安心できるような救助隊でなければいけません。

今も、いいこと言いましたか?
(一同、笑い)



※ 「高度救助隊」のワッペンもまた、チーム全員の誇り。

◇ 紀々
屋良隊長のお守りとなっている言葉や写真など、何かありますか?


屋良隊長
何だろう…。(しばし沈黙)

◇ 隊員の皆さん
隊長の部屋に飾ってある、あの文字はどうですか?

◇ 紀々
何と書かれているのですか?

屋良隊長
「人生、焦らず急げ」です。
中学生の時に聞いた言葉で、誰の言葉なのかわからないのですが…
ずっと大切にしています。
後輩たちには「災害、焦らず急ごう!」と伝えています。

◇ 隊員の皆さん
おぉ~、カッコいい!

屋良隊長
と言っても、けっこう僕はドタバタするんですけどね。
みんなが落ち着いてやってくれています。(笑)

◇ 紀々
救助隊の方にとって、
この仕事をやっていて良かったと思うのは、どんな時ですか?
サービス業では、お客さまからの「ありがとう」という言葉をもらった時
というのが一番多いのですが、
救助隊の方々が現場と向き合う中での気持ちについて、教えて下さい。

屋良隊長
助けた人がその後どうなったのかなぁと、気にはなります。
でも、追いかけていくことはありませんが…気にはなっています。
救急隊は、よく御礼の手紙や言葉をもらうという話は聞きますが、
救助隊は、あまりありません。

実は、救助隊の場合…半分は「死」と直面します。

一般の会社だと、企画や準備をしたものが大いに役にたって
売上が上がったりすることは大事だし嬉しいですよね。
でも、私たちの場合は…最初に見て頂いた訓練、
あれは、本来は役に立ってはいけないのです。
それが役立つような悲惨な現場には、遭遇したくないと願っています。
そこは、大きな違いですね。
それでももし、そのような現場に遭遇した時には、
私たちは、あらゆる手段を使って、目の前の人を助けなければいけません。
失敗が許されないのです。
そして、どんな困難な状況であっても
「できません」と言うことも許されません。

今はこうして笑っていますが、本当は、毎日…怖いです。

例えば車の中で人が挟まってしまった時に、
しっかり助けることができたら、心の中でうれしい気持ちはあります。
でも、目の前に怪我をしている人もいるような現場ですから、
人前ではガッツポーズするどころか、白い歯を見せることもありません。
片付けをしながら「今日は、ちゃんと助けられてよかった」と
それぞれが思い、心の中ではガッツポーズの気持ちになることはあります。
それでも、うれしいという気持ちや言葉、笑顔が出ることはありません。

それは、接客業などの「売れて嬉しい・買えて嬉しい」と
お互いに喜べる感覚とは、まったく違いますね。

◇ 紀々
「またお越し下さい」もありませんし…かなり違いますね。

屋良隊長
「またいつでも呼んで下さいね」と言うのも変でしょ?
基本的には、悲しい現場なのです。
だから私たちは、とにかく現場からさり気なく帰って行くのが一番です。


※ 情熱を秘めつつ、冷静に…一体感が印象に残ります。

☆エピソード・3に、続きます。どうぞお楽しみに!☆

・紀々の哲楽メモ・

「一番重い病気の患者さんの部屋が、実は一番明るい雰囲気なんだよ。」
以前、友人に聞いた話を思い出しました。
困難と本気で向き合う人が持つ、特別な明るさがある…
話して下さる皆さんの笑顔を見ながら、そう感じていました。

無敵に見えるオレンジ服の皆さんも、
毎日、怖さと向き合っていたことは本当に驚きでした。
同じ人間なんだという気持ちの一方で、
プロが抱える「恐怖」は、私たちのそれとはまた別のもの…
そんな気もしました。

幸いにも、私は
この場以外でオレンジ服の皆さんにお会いした経験はありませんが、
何かの場で出会った方々に、お伝えできればという気持ちになりました。
こんな想いを抱えて懸命に救助に向かい、
そして、仕事を終えたらそっと現場を後にするプロフェッショナルが
いるということを。

「自分の家族ならまだしも、
他人のために命をかけるなんて…自分には、無理です。」
とある一般企業のリーダーとのお話の中で出たこの言葉は、
多くの方の正直な気持ちだと思います。

「どうか、今日も穏やかな一日でありますように」
このインタビューの後から、ますますそう思うようになりました。
オレンジ服の皆さんが、笑顔を出せる時間がいっぱいありますように。
皆さんの笑顔の輪に入れてもらった私の気持ちです。

・追伸・
医療系フリーマガジン「ドクターズプラザ」2014年3月号の健康インタビューでも、
思いがけず、屋良隊長へのインタビューを担当させて頂きました!




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